アパレルブランド・ファッションEC
専門サイトを開設しました
在庫、返品、プラットフォーム手数料、越境EC。
この業界の数字を、業界の言葉で話せる体制を整えています。
当事務所では以前から、アパレルブランドやファッションECを運営する企業のご支援を行ってきました。このたび、その内容を一つにまとめた専門サイトを開設しましたので、お知らせいたします。
このお知らせでは、サイトの紹介に先立って、アパレルの数字がなぜ読みにくいのかと、実務でよくご相談をいただく論点を整理しておきます。
アパレルの数字が読みにくい理由
アパレル・ファッションEC の経営者の方から、こんなご相談をいただくことがあります。
- 月次が締まらず、いま儲かっているのかどうかが分からない
- 売れているのに現金が残らない。在庫と支払いのタイミングが読めない
- シーズンオフの在庫を、いくらで評価すればいいのか分からない
- いまの税理士に、業界の話がそもそも通じない
これらの背景には、共通する構造があります。アパレルではお金が出ていく時期、モノが動く時期、売上が立つ時期の三つが、それぞれずれているということです。
生産の支払いは展示会の前に発生します。入荷した商品は在庫として資産に計上され、費用にはなりません。売上が立つのは、さらに後です。この三つの時間差が重なるため、損益計算書の数字と手元の資金感覚が一致しなくなります。売上が伸びている局面ほど、この差は大きくなります。
商流の各段階で発生する主な論点
- 生産・仕入:輸入消費税と関税の処理、前払金の管理、為替
- 展示会・受注:展示会費用の処理、受注残の把握
- 入荷・在庫:棚卸資産の評価方法、在庫回転日数
- EC・卸・店舗:売上の計上基準、プラットフォーム手数料
- 返品・セール:返品の処理、評価損の計上
よくご相談をいただく三つの論点
1. シーズンオフ在庫の評価損
売れ残った在庫を帳簿価額のまま持ち続けると、利益が実態より大きく見えます。法人税法上、棚卸資産が著しく陳腐化した場合には評価損の計上が認められており、国税庁の通達でも季節商品の売れ残りが例として挙げられています。
実務でつまずくのは、金額の計算よりもその評価額の根拠を説明できる資料が残っていないことです。棚卸の記録の取り方から設計しておく必要があります。
2. 越境ECの輸出免税
日本から海外へ商品を送る場合、消費税は輸出免税の対象になります。ただし輸出した事実を証明する書類を7年間保存することが要件で、これが抜けていると免税が認められません。
この分野は近年、実務上の取扱いが細かくなっています。小規模なファッションECに関係が深いものを二つ挙げます。
| 場面 | 保存が必要な書類 |
| 通常の貨物輸出 |
輸出許可書(税関長が証明したもの) |
郵便物で輸出し、 価額が20万円以下の場合 |
輸出許可書は不要。日本郵便から交付された引受けを証する書類と、発送伝票等の控え |
EMSや小包で少額の商品を送っているブランドは、輸出許可書が出ないため免税を諦めてしまうことがあります。20万円以下であれば、日本郵便の引受書類で足ります。ただし同じ受取人に2個以上に分けて送る場合は合計額で判定しますので、ここは注意が必要です。
令和8年10月1日からの取扱い
輸出取引の代金を現金で受け取る場合などには、上記の書類に加えて、輸出先の税関が発行する輸入許可書といった輸入の事実を証する書類の保存が必要になりました。銀行振込による決済はこれに該当しません。海外のポップアップやイベントで現金売上が発生するブランドは、一度ご確認ください。
3. チャネル別の損益が見えない
Shopify の自社EC、楽天、Amazon、ZOZO、卸、店舗。売上データの発生源が分散しているのがこの業界の特徴です。入金額は手数料と返品が差し引かれた後の金額なので、通帳の数字をそのまま売上として計上していると、チャネルごとの実質的な利益が分からなくなります。
各チャネルのデータをクラウド会計に連携し、手数料・送料・返品を含めた形で可視化しておくと、どこに力を入れるべきかの判断が数字でできるようになります。
専門サイトでご覧いただけること
料金の目安設立初年度の顧問報酬から決算・申告報酬まで、金額を明記しています。
成長フェーズ別の支援立ち上げ期から海外展開・上場準備まで、段階ごとに必要になる支援をまとめています。
業界特有の税務論点在庫評価、売上計上基準、返品、外貨建て取引、越境EC。一覧で確認できます。
- アパレルブランド(自社ブランドの企画・製造・販売)
- ファッションEC・D2C
- セレクトショップ・小売
- OEM・ODM企業
- ジュエリー・バッグ・シューズなどのブランド
- 海外ブランドの日本法人
- 古着・リユースを扱う事業者
APPAREL TAX|アパレルブランド・ファッションECのための会計事務所 →
アパレル企業が税理士を選ぶときの視点
- 商流を理解しているか。展示会で受注してから入金までの期間、シーズンが終わった在庫の扱い、ECの手数料が引かれた後の入金額と売上の関係。こうした前提を毎回説明せずに済むかどうかで、打ち合わせの中身が変わります。
- 月次が判断に間に合うタイミングで出てくるか。数か月遅れの試算表は、仕入れの判断にも資金繰りにも使えません。資料の受け渡しの仕組みまで含めて設計できる事務所を選んでください。
- 業界特有の論点を先回りして示せるか。在庫の評価損や輸出免税のように、知らなければ取りこぼす論点があります。同じ決算書でも、業界を知っているかどうかで納税額が変わることは実際にあります。
よくあるご質問
まだ立ち上げたばかりの小さなブランドですが、相談できますか。
はい。むしろ立ち上げの段階でご相談いただけると、在庫と原価の管理方法を最初から決めておけるため、後の負担が大きく変わります。売上規模を問わず、初回のご相談は無料です。
いまはfreee(またはマネーフォワード)を自分で使っています。乗り換えは必要ですか。
そのままお使いいただけます。当事務所はfreeeの5つ星認定アドバイザー、マネーフォワードのプラチナメンバーとして、いずれのソフトにも対応しています。現在の設定を拝見し、税区分や勘定科目の設計だけ整え直すところから始めることが多いです。
自社の在庫が評価損を計上できる状態かどうか、知りたいのですが。
個々の商品が評価損の対象になるかどうかは、仕入時期・販売実績・今後の販売見込みなどを総合して判断します。すでに顧問税理士がいらっしゃる場合は、まずそちらにご確認ください。社内の棚卸の方法から見直したい、という段階でのご相談は当事務所でもお受けしています。
打ち合わせは対面でないと難しいでしょうか。
オンラインが中心です。資料のやり取りもクラウド上で完結するため、全国どこからでもご依頼いただけます。ご希望があれば、東京事務所または横浜事務所へお越しいただくこともできます。
この記事の著者
神宮 明彦(Akihiko Jingu)
税理士 / 神宮前あおば税理士法人 代表パートナー
経営革新等支援機関 認定税理士
freee 5つ星認定アドバイザー
MFクラウド プラチナメンバー
EY税理士法人 出身
上場企業 社外取締役
EY税理士法人でグローバル企業・大手上場企業の税務実務を経験後、2018年に神宮前あおば税理士法人を設立。freee 5つ星認定アドバイザー・マネーフォワード クラウドプラチナメンバーとして、150社以上のクラウド会計導入・税務支援を担当。アパレルブランド・ファッションEC企業の在庫管理と資金繰りの設計を数多く手がける。慶應義塾大学商学部卒。
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会計体制の見直し、ご相談ください
神宮前あおば税理士法人では、アパレル・ファッションEC企業の在庫と原価の管理設計、
月次決算の早期化、資金繰りと資金調達のご支援を行っています。初回のご相談は無料です。
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参考・引用情報
- 国税庁 タックスアンサー No.6551 輸出取引の免税
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shohi/6551.htm
- 国税庁 法人税基本通達 第9章第1節第2款 棚卸資産の評価損
https://www.nta.go.jp/law/tsutatsu/kihon/hojin/09/09_01_02.htm
※ 本記事の情報は2026年10月時点のものです。制度は変更される場合があります。
※ 本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、個別の税務判断を行うものではありません。実際の会計処理・税務申告にあたっては、必ず顧問税理士にご確認ください。本記事の情報に基づいて行われた判断について、当事務所は責任を負いかねます。